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日が昇りイルたちは目覚める。ビルが言う。
ビルー「おはよ〜。」
ビルの挨拶に対して、各々が答える。その後、イルは言う。
イルー「そしたら、昨日の続きだ。」
イルの言葉に対してユウは言う。
ユウー「昨日の続き、とは?」
ユウの質問にビルが答える。
ビルー「俺たちはリニツィオルーチェ王国に入るために、通行許可をくれる住民を入り口で探しているところなんだ!そのために国に入ろうとしている人に片っ端から声をかけて回ってるんだよ。」
ビルの答えに対してクラムが言う。
クラムー「リニツィオルーチェ王国に入りたいんですね!私でよければ通行許可だしますよ!!」
クラムに対してビルが言う。
ビルー「そうそう、クラムが通行許可を出して….?クラムはリニツィオルーチェ王国の住人なのか!?」
ビルだけでなく、イルも驚く。クラムは答える。
クラムー「住んでいるも何も私はリニツィオルーチェ王国の王女ですから!」
またしてもイルたちは驚く。冷静なユウが言う。
ユウー「…どうやら問題は解決したみたいだな。」
リニツィオルーチェ王国へ入ると言う問題は昨晩助けたクラムによって解決された。
朝の会話が終わり各々が身支度をしている。そこでビルがユウに緊張しながら聞く。
ビルー「もちろんユウも一緒にいくよな?」
ビルの問いかけにユウが答える。
ユウー「もちろんだ。俺もリニツィオルーチェ王国には用があるしな。」
ユウの発言にビルの話を思い出し、イルがユウにたいして疑い深そうに聞く。
イルー「ユウ、お前まさか王国に復讐しようだなんて考えてるんじゃないだろうな?」
イルの質問に対してユウは驚いたように答える。
ユウー「復讐…か。村のみんなを置いて逃げてしまった時はそれも考えたよ。だけど、復讐をしても何も生まれない。俺は俺のやり方でこの不条理な世の中を正したいと思っている。」
真剣な眼差しで答えるユウは嘘偽りのない顔をしていた。その顔と答えに対して、イルはホッとした。そして、ユウに言う。
イルー「ユウ、お前はこの世界の勇者になれ!」
イルの発言に全員が驚く。そしてユウが言う。
ユウー「イル、お前に言われなくても俺は勇者になるつもりだ!だが、ありがとう。少しだけ自信がついた。」
イルは少し考え込んだ後、ユウに対して言う。
イルー「ユウにもビルと同様に少し力を分け与えてやろうと思う。」
イルの言葉に対して、また全員で驚く。そしてユウが覚悟を決めた顔をして言う。
ユウー「イル、頼む。」
ユウの言葉を聞くとイルはユウの頭に手をかざし目を閉じた。するとイルの手が光り輝きユウの頭上を照らした。しばらくすると光は徐々に弱くなり、やがて消えた。
イルー「これでよし!ユウもビルと同様に俺の力を扱えるようになったぞ!」
イルの言葉に対し、握った拳を見つめ、少し微笑みながらユウが言う。
ユウー「イル、ありがとう!」
ユウの言葉に微笑みかけたあと、イルは言う。
イルー「クラム、王国に入るのはもう少し待ってくれないか?」
イルの言葉に対してクラムが不思議そうに答える。
クラムー「?いいですよ!」
4人はリニツィオルーチェ王国へ入る前に再び森の中へ入っていく。ひと気のないひらけた場所へ移動してくるとイルがユウとビルに対して言う。
イルー「二人には俺の力を分け与えたけど、使えなきゃ意味がない。だから、うまく使いこなせるようになるまで特訓しようと思う。」
ビルとユウは納得した顔をして言う。
イルー「力を使う時だけど、こう、なんていうか、グッと…。」
イルの言葉を食い入るように聞くビルとユウ。イルは続ける。
イルー「”力を使うぞー”って感じでやると力を使えるぞ!笑」
イルは自分の説明が下手すぎて笑いながら答えた。食い入るように聞いていたビルとユウは呆れた顔でイルを見る。そして、イルは言う。
イルー「こればっかりは感覚で覚えるしかないんだ。だから、”こうしたら力が使える”って感覚を忘れないうちに反復して、今のうちにいつでも使えるようにしておこうってわけだ!」
イルの言っていることは理解できている2人。早速実践に入る。
イルが下手なりにアドバイスしながらビルとユウは実践していく。もともとセンスがずば抜けているユウはものの1時間で力を自在に出せるようになった。
力を出せるようになったユウの剣は、大地を切り裂き岩をも砕く最強の剣となった。その様子を見ていたビルは悔しそうに練習を続けた。イルが言う。
イルー「ビル、ユウと比べるなよ〜!ユウはセンスがずば抜けてるから簡単に覚えられただけだ。他の人ならお前と同じ…くらいは時間がかかるさ。」
イルが若干言葉をぼやかしたのをビルは聞き逃さなかった。ビルが言う。
ビルー「はいはい、どうせ俺は物覚えがわるいですよー。」
その後、真剣な顔をしてビルが続ける。
ビルー「だけど、この力を使いこなして俺はみんなを守れる最強の大将になるんだ!できるまでいくらだってやるぞ…!」
ビルの言葉にイルは改めてビルを選んでよかったと思い直す。
その後も特訓は続き、日がくれた頃ついにビルもユウと同様に力を自在にコントロールすることができるようになった。ビルができるようになったのを見計らってイルが言う。
イルー「二人とも力を使えるようになってよかった!ただ、一つ覚えておいて欲しいのが”今日の特訓は基本中の基本だということ”!この力は応用すればいろんなことができるようになるから覚えておいて欲しい…!」
イルの言葉にビルとユウは頷く。その後、ビルは申し訳なさそうにクラムに言う。
ビルー「クラム、こんな時間まで特訓に付き合わせてごめん…。これでやっとリニツィオルーチェ王国に入れる。案内を頼む!」
クラムが微笑みながら言う。
クラムー「お二人の一生懸命な姿、とてもかっこよかったですよ!喜んでお招きいたしますわ !」
クラムの言葉にビルは照れくさそうな態度をする。それを見たイルとユウは心の中で思う。
イル・ユウー「(わかりやすっ…。)」
こうしてビルとユウの力を使えるようにする特訓は幕を閉じる。そしていよいよリニツィオルーチェ王国へと入っていくのであった。

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