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リニツィオルーチェ王国の近くで野宿することになったイルとビル。
ビルが言った。
ビルー「こう見えて俺、野宿をするのが初めてなんだ…。どうすればいいんだ?」
イルは驚いた。そして言う。
イルー「そうだな、じゃあまずはこの周辺で薪を探そうか。そして火を起こすんだ。本当なら飯を食いたいところだけど、今日は諦めよう…。」
イルの言葉に対しビルが言う。
ビルー「わかった!じゃあ、20分後に薪を集めてここに!」
イルー「おう!」
二人は焚き火をするために必要な薪を探すために一時別れた。
<ビル描写>
ビルは薪を探している。
ビルー「おっ!あったあった!持てなくなったら戻るか。」
思ったよりも薪の集まりが早かっため、ビルは一足先に集合場所へ帰ろうとした。
と、その時。女の悲鳴が森に響渡った。
女ー「キャー!助けてー!!!」
女の悲鳴に気づいたビルは集合場所に戻るのを辞め、女の悲鳴がした場所まで走った。
ビルー「待ってろ!」
<イル描写>
一方その頃、イルもビルと同様に薪を探していた。
イルー「結構あるな、この調子だとビルも同じくらい集めてるに違いない。早めに戻って火おこしの準備でもするか。」
イルは集合場所に帰る。そこで、ビルの時と同じく女の悲鳴が。
女ー「キャー!助けてー!!!」
当然イルにも聞こえている。
イルー「どこかから女の悲鳴が…。何かあったのか?ひとまず集合場所に戻ってイルを待つか。」
イルは女の元へは行かず、ビルとの集合場所へ戻った。
イルは集合場所に戻り、火おこしの準備をしていた。約束の20分はあっという間に経ち、それでもビルは戻ってこなかった。
イルー「もう時間は経ったはずなのに戻ってこないな…。……まさかな。」
イルはさっきの女の悲鳴と関係があるのではないかと考え始めていた。
<再びビル描写>
ビルは女の元へと走っている。
ビルー「こんな夜に女の悲鳴ときたらやばいことになっているに違いない…。頼む、間に合ってくれ!」
女の悲鳴があった場所はそこまで遠くなく、10分ほど走ったところにあった。そこには、若い女(18歳ほどの美女)が盗賊4人に襲われそうになっている姿があった。
ビルはすぐさま女の前に飛び出し、言う。
ビルー「お前ら、女一人に何やってんだ!?」
盗賊が言う。
盗賊ー「なんだお前、連れがいたのか?」
盗賊が続ける。
盗賊ー「王子様登場って感じか?それにしてもずいぶん弱そうだな!笑」
盗賊たちはビルをみて笑う。ビルは言う。
ビルー「4人でしか女を襲えないお前らの方が弱そうだぜ!」
ビルの言葉に盗賊たちが怒り、言う。
盗賊ー「なんだと!?よし、女の前はこいつからだ!やっちまうぞお前ら!」
他の盗賊ー「おぉ!」
盗賊たちがビルに斬りかかる。しかし、ビルにはイルからもらった力がある。だから大丈夫…。だと思っていた。
盗賊たちとビルが斬り合う。しかし、以前村で使えたはずの馬鹿力が使えない。ビルは思う。
ビルー「(なんであれが使えないんだ?)」
大したことのないビルに対して、盗賊たちが言う。
盗賊ー「さっきの威勢はどうした?大したことねーな!」
その言葉に怒ったビルが言い返す。
ビルー「なんだと!?みてろよ、あの力が出ればお前らなんて一発で…。」
訳のわからないことを言うビルに対して盗賊が笑いながら言う。
盗賊ー「何を訳のわからないことを。笑」
<再びイル描写>
イルはさっきの女の悲鳴があった場所へと走っていた。
イルー「女の悲鳴があったのはこのあたりだったような…。うーむ、こんなところで方向音痴を発揮してしまうとは。まずいぞ、ビル無事であってくれ。」
イルは盛大に道に迷っていた。
<再びビル描写>
ビルは盗賊たちと戦っている。
4対1となると流石に体力の消耗が激しい。次第に動きにキレはなくなり、守るので精一杯になっていた。
ビルー「(くそ、かっこいいことを言いながら負けそうになってる俺、ちょーカッコわりーじゃねーか。だけど、流石にこの人数を相手にするとなると流石に部が悪い。)」
弱っているビルに対して後ろで女が言う。
女ー「どなたか存じ上げませんが、私のために命は落とさないでください。私を放ってお逃げください。」
女の言葉に対してビルがプライドむき出しでいう。
ビルー「こんなカッコ悪いままのこのこと逃げられる訳ねーだろ!俺が助けてやるからまってろ!」
ビルの言葉に女は少しときめいた。
女ー「は、はい!(お願い、誰か助けて…。)」
<再びイル描写>
一方イルはというと、まだ森をさまよっていた…。
イルー「ビル、お前はどこにいるんだよー!!」
<再びビル描写>
体力も底をつき、剣をあげるのもやっと。ぼろぼろのビルをみて盗賊が言う。
盗賊ー「だいぶ粘ったがもう終わりみたいだな。いま楽にしてやる!」
盗賊がビルに斬りかかろうとしている。女が叫ぶ。
女ー「ダメーーー!!!!」
叫び声とともに一人の男がビルの前に現れ、盗賊が振り下ろした剣を支える。そして、ビルに言う。
謎の男ー「ビル、らしくないな。ボロボロじゃないか。こんな奴らも倒せないなんて王国の大将になるのはまだまだ先だな。」
顔を上げたビルが驚きながら言う。
ビルー「….ユウ…なのか!?生きてたのか…!本当によかった…。」
ビルが言った後にユウが言う。
ユウー「そうさ、俺は村のみんなを捨てて一人で逃げ延びてしまった…。だが、今はそんなことを言っている場合じゃない!ビル、戦えるか?」
ユウの呼びかけにビルが答える。
ビルー「当たり前だ!ユウ、誰に言ってる!?(実は相当辛い)」
ユウとの会話が終わった後、盗賊が言う。
盗賊ー「感動の再開は済んだか?1人増えようがお前らは俺たちには勝てねーよ!お前らやっちまうぞ」
盗賊4人とビルたち2人は戦った。戦いに戦った。
その結果、盗賊を3人倒し、残り1人となった。1人の盗賊が言う。
盗賊ー「お前ら、嘘だろ?おい起きろよ!」
盗賊に対してユウが言う。
ユウー「どうする、逃げるなら今だぜ?」
ユウの言葉に盗賊は怖くなり駆け出した。その盗賊とすれ違うイル。
イルがやっと到着したのだ。そしてイルが言う。
イルー「ビルごめん。遅くなった…。」
イルに対してビルが言う。
ビルー「遅すぎだぜ、全く。こんなに近い距離をどうしたらこんなに時間がかかるんだよ!」
ビルの言葉に対し、イルは恥ずかしくて何も言えなかった。
イルー「その通りだ、すまん…。」
イルとの会話が済んだ後、ビルはユウを紹介する。
ビルー「ここにいるのがユウだ。俺が探していた村唯一の生き残りの。」
続けて、ユウにイルを紹介する。
ビルー「そして、こっちが今日から行動をともにし始めた”神”のイルだ。」
ビルの発言にユウがよくわからなさそうに言う。
ユウー「….”神”…?」
ビルは答える。
ビルー「あぁ、ユウの思っている神で間違いないぞ。」
ユウは驚いてイルを見る。イルが言う。
イルー「ユウ、といったか?俺は神だけど別にかしこまらなくてもいいぞ。変な態度をとったら何かするとかそういうのはないからね。」
イルの言葉に対してユウが答える。
ユウー「あぁ、わかった。(まだ飲み込めていない)」
そして、だいぶ放置されている女がここでやっと口を開く。
女ー「だいぶ忘れられているみたいですが、お礼を言わせてください。私を助けてくれてありがとう。もうダメかと思いました…。」
女に対して、ビルが自慢げに言う。
ビルー「おうよ!当然のことをしたまでた!」
ビルの態度にユウが突っ込む。
ユウー「お前、やられそうになってたじゃないか。あのタイミングで俺が入ってこなかったら死んでたぞ。」
ユウの発言に対して女も同調して頷く。その様子に不思議そうにイルが言う。
イルー「ビルがこの盗賊たちに負けそうになる?力を使わなかったのか?」
イルの質問に対してビルが言う。
ビルー「それが使えなかったんだ…。使おうと思ってもさっぱり…。」
その言葉に対して、イルが言う。
イルー「じゃあ、当分は力の使い方の練習って感じだな。」
イルの言葉に対して、ビルが恥ずかしそうに言う。
ビルー「…お、おう。」
その会話を聞いていたユウがイルに聞く。
ユウー「イル、力…とはなんだ?」
その質問に対してイルが言う。
イルー「その話をすると長くなるから、今日焚き火をする予定の場所があるからみんなそこまで来てくれ。そこで話す。」
イルの言葉に、3人は同意。ひとまず、焚き火を行う予定の場所へ行き、焚き火を行う。その後は、全員の自己紹介が行われた。ちなみに女の名前は”クラム”。
自己紹介が済んだ後で、ユウの質問にイルが答えた。話が吹っ飛び過ぎているため、真面目なユウは終始思考が停止していたが、それでもイルの言っていることを信じた。というより、ビルがイルのことを信じていると言うことが一番大きかったのかもしれない。
積もる話もあったが、この日は疲れていると言うこともあり4人で就寝することに。これがイルとビルが仲間になってから初めて過ごす夜の出来事であった。

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