イルのみちびき

イルのみちびき3話〜オークールソー村〜

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イルは町を探して歩いている。

しばらく歩いていると、目の前に町ではないが小さな村が見えてきた。

イルは言う。

イルー「村が見えてきたな!ひとまずあの村に行ってみるとするか。」

イルが村に入る。ー

 

<オークールソー村>

端から端まで走れば10分程で行けてしまうような小さな村。しかし、この村の中を歩いているものは誰一人いない。それ以前に、この村に生命がいる気配がない。

イルー「やっと村についたのに誰もいないじゃんか!なんだよ、まったく。」

イルは村をくまなく散策した。お店と思われる場所から住居のような建物の中まで。しかし、本当に誰一人いなかったのだ。

イルー「この村、滅んだのか?」

ここから、”探偵イル”が仮説をたて始める。

近くに置いてあった住居内の食器を見て言う。

イルー「この食器はそこまで古くないな。この村が使われなくなったのはつい最近の事だろうな。」

…当たっている。

また、荒れ果てた建物を見て言う。

イルー「この村の住人は何かからの襲撃を受け、滅んでしまったのだろう。」

…当たっている。

そんなイルを隠れながら謎の影が様子を伺っている。

謎の影ー「…..。」

村の散策を行なっていると目の前に大きな墓場が現れた。その墓の数はだいたいこの村の住民の人数ほどあった。

イルー「これはっ…!」

そのとき、イルの背後から謎の影(17歳ほどと思われる青年)が木の棒を振りかざし襲ってきた。

イルは、木の棒に打たれ気絶した。

 

イルー「….。」

イルは気が付いた。あたりを見渡す。

どうやらどこかの部屋の一室のようだ。しかし、イルは椅子に腰掛け、手足は縄で縛られている状態だった。

イルー「なんだ、これは…?」

戸惑っているイルに声をかけたのはイルを木の棒で襲った謎の影だ。姿を隠す様子もなく、こちらを上から見下ろしているのは17歳ほどの青年だった。

17歳ほどの青年ー「気が付いたか、よそ者さんよ。」

馴れ馴れしい態度。年上に対してもなめてかかるような態度の悪い青年だ。イルも一応見た目が17歳くらいだから、年上ではないのだが…。

17歳ほどの青年ー「お前を襲って武器や金品を盗もうと思ったんだが、まるですっからかん。なんでなんも持ってねーじぇねーか。」

襲った目的をベラベラと喋る。ついでに頭も悪そうだ。

17歳ほどの青年は続けて言う。

17歳ほどの青年ー「お前、”リニツィオルーチェ王国”のもんじゃねーのか?」

イルに質問してきた。その質問にイルは答える。

イルー「…リニツィオルーチェ王国?そんな国、俺は知らないね。それよりもこの縄を解いてくれよ。」

イルが17歳ほどの青年に言う。

17歳ほどの青年ー「リニツィオルーチェ王国のものじゃねーのか…。そうか。でも、お前の素性がはっきりするまでは解けないな。」

続けて、17歳ほどの青年は言う。

17歳ほどの青年ー「じゃあ、お前はどこのもんだ?」

イルは真顔で答える。

イルー「神だ。」

17歳ほどの青年ー「・・・。」

17歳ほどの青年は困惑している。

17歳ほどの青年ー「何をわけのわからないことを。神がこんなところにいるはずないだろ。しかも人間の格好をして。証拠を見せろ。」

イルー「証拠か…。わかった。じゃあ、そうだな…そこの壁!その壁を思いっきりパンチしてみてくれ!」

イルは言った。わけのわからない17歳ほどの青年は難しい顔をした後、イルの言う通り壁をパンチして見せた。

17歳ほどの青年ー「これでどうだ。これがなんだってんだ?」

イルは言う。

イルー「そしたら俺の手の前に頭を近づけてくれ。」

イルの手は椅子で縛られているため、17歳ほどの青年が深くかがみ、なんとか頭を近づける。イルは目を閉じた。

その瞬間、イルの手が光り輝いた。

17歳ほどの青年ー「…!?なんだこれは!!!」

17歳ほどの青年は驚く。しばらくするとその光は弱まり、やがて消えた。その後、イルは言う。

イルー「さっき思いっきりパンチした壁をもう一度同じように全力でパンチしてみてくれ。」

17歳ほどの青年はイルの言われた通りに思いっきりパンチをする。

すると、パンチの衝撃波で壁は破壊され、粉々に。あまりの衝撃に17歳ほどの青年は驚きを隠せない。

イルー「な?」

17歳ほどの青年ー「な?じゃねーよ!これどう言うことだよ!!説明してくれよ!!」

イルが言う。

イルー「さっきも言ったけど俺は神。正確にはミリコスと言う神の子どもなだけどね。」

イルー「俺たちミリコスは1人に1つ力を持たされて生まれたんだ。そして俺の力は「ラボアペル」!”あらゆるものを譲り受け取る力”なんだ。」

イルは話した内容は全く頭に入ってこなかったが、自分の力が明らかに大きくなっていたことを体験したため、イルの言っていることが真実であると言うことはわかった。

17歳ほどの青年ー「なるほどな…。全く意味がわからないが、ああやって見せられちゃ信じるしかない。」

続けて17歳ほどの青年が言う。

17歳ほどの青年ー「じゃあ、お前はこの村で何をしていたんだ?」

イルが答える。

イルー「人間界に降り立って歩いていたらこの村を見つけたから興味本位できてみただけだ。何もなかったんだけどね…。」

17歳ほどの青年は少し悲しそうな顔をして言った。

17歳ほどの青年ー「この村も2週間前までは人が暮らしていたんだ…。」

17歳ほどの青年の言ったことに対して、イルが言う

イルー「さっき見た墓場と関係があるのか?」

17歳ほどの青年は静かに頷く。

イルー「そうか…。」

数分間沈黙が続いた後、17歳ほどの青年が口を開いた。

17歳ほどの青年ー「この村の人は全員”リニツィオルーチェ王国の王国軍”のやつらに殺されたんだ。」

17歳ほどの青年はゆっくりと話し始めた…。

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