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ビルとライデンの前に突如として現れた黒装束の集団。意図の見えない街への襲撃を阻止するために、ビルとライデンは黒装束の集団に立ち向かう…。
ビルはイルからもらった力を使い、超スピードで黒装束の一人に切りかかった。
ビルー「…バーストォォオオ!!」
ビルの突然の超スピードに、黒装束の一人は反応できず、ビルの斬りつけをもろに食らう。
先制攻撃で手応えを掴んだビルが黒装束の集団に対して言う。
ビルー「おいおいおい、お前たちはそんなもんなのか?イルたちに聞いてたから少し期待したが、拍子抜けだぜ!」
そんな言葉を他所に、一連のビルの様子をみて黒装束たち全員の意識がさっきまでと大きく変わった。
ビルー「(こいつら、さっきよりも集中してやがる…。次は同じようにはいかねーかもな…。)」
そんな様子を見てライデンが一つ気になることをビルに尋ねる。
ライデンー「おいビル!お前今”バーストォォ!!”って言ってたが、それはなんだ?」
ライデンのまさかの横やりにビルの集中力が一瞬切れる。ビルが答える。
ビルー「あぁ、あれはな、イルからもらった力のことだ!俺はその力の総称を”バースト”って呼ぶことにしたんだ!イルの力って、なんかこう…バァーッと力が湧き上がってくる感じがするだろ?その感じがこの名前とマッチしてるなって思ってな!」
ビルの話を聞いてライデンも納得したように言う。
ライデンー「バーストか…。ビル、お前にしちゃあいい名前だ!よし、俺もその名前を使おう!」
ライデンの言葉にビルが怒りながら反応しつつも、黒装束たちを警戒する。
ビルー「俺にしちゃあってのが余計だ、ライデン!!」
こうしてイルからもらった力を二人は”バースト”と呼ぶことになった。
そして再び、ビルは黒装束に意識を集中させる。少々の沈黙の後、ビルが最初に切りかかった黒装束とは違う、別の黒装束に斬りかかる。
ビルー「っしゃぁぁああ!!」
しかし、斬りかかられた黒装束はビルと同様に超スピードで回避。ビルの背後に回る。その様子をみたビルは驚き、心の中で言う。
ビルー「(はやい…。)」
ビルはすぐさま攻撃を警戒し、後ろに剣を回す。敵の小刀とビルの剣が交わる。相手の体格からは考えられない力だ。その後、敵の攻撃を押しのけ一旦体制を整えた。ビルが黒装束に言う。
ビルー「その力…。お前らも俺たちみたいに力を授かったのか?」
ビルが黒装束たちに問いかける。
黒装束ー「…。」
しかし、黒装束たちの反応はない。その様子にビルが苛立ちながら言う。
ビルー「おい、さっきから無視すんじゃねーよ!!口ついてねーのかよ!」
その後、数秒置いた後に冷静な雰囲気でビルが続ける。
ビルー「…まぁ、いいさ。答えてくれなくてもお前たちについて調べていけばいずれ分かることだろうしな。今はお前らとの戦いに集中する…!」
ビルは冷静に敵を警戒しながら構える。
そんなビルの戦い振りをみて、喜びの眼差しを注ぎながらライデンが心の中で思う。
ライデンー「(ビル…。お前は立派に成長してくれているな…。)」
成長し続けているビルに、ライデンも加勢する。
ライデンー「ビル、俺にもやらせてくれ!」
ライデンはそう言うと、力を腕・剣に込め始めた。徐々に腕や剣が黄色く光っていく。ある程度光が大きくなった時、ライデンは剣を大きく早く振り下ろし言う。
ライデンー「バースト・スラーッシュゥゥ!!!」
ライデンはものすごいスピードで剣を振り下ろす。すると、黄色く光る斬撃が黒装束めがけてものすごいスピードで飛んでいった。
そして、2人の黒装束がその斬撃を食らう。その様子を見たライデンが言う。
ライデンー「どんなもんだ!」
ライデンの斬撃を見てビルが言う。
ビルー「(すっげぇー…。)…ライデン!今度俺にもバースト・スラッシュってやつを教えてくれ!」
ビルの言葉にライデンが答える。
ライデンー「あぁ、いいぜ!この戦いが終わったらじっくり教えてやる…!」
そう言うとライデンは残りの黒装束に意識を向ける。
ライデンの攻撃が終わり、再びビルも敵と対峙する。
ビルが黒装束に斬りかかろうとした…その時。
「ブラック・フレイム。」
落ち着いた声で発せられた言葉とともに黒炎がビルめがけて飛んでくる。
ビルー「(…!なんだこれは…。やべぇ、避けられ…)」
その時、ビルの目の前にビルたちとは比べものにならないほどの速さで何者かが移動してきた。
そして、迫り来るブラック・フレイムを前に、片手を前に出し言葉を発する。
「パワー・カスト…!」
すると、ブラック・フレイムはみるみる小さくなり、やがて消えていった。
突然の出来事に何が何だかわからないビル。そこに聞きなれた声が。
「ビル〜!ライデン〜!大丈夫か〜?」
イルだ。騒ぎを聞き、駆けつけたのだ。
ビルの前にいるのはミリコスの一人”ティア”。ティアが微笑みながら言う。
ティアー「あなたがビルね。勇敢でまっすぐな目…。とっても可愛らしいわね。」
ティアの圧倒的な強さに呆然とするビルはティアの言葉が全く入ってこなかった。ティアが続ける。
ティアー「ビル、まだやれるかしら?」
ティアの呼びかけに呆然としていたビルが正気を取り戻し、答える。
ビルー「…お、おう…。」
ティアとビルは黒装束たちに意識を向けた。
そこに、ビルにブラック・フレイムを放った人物が姿を表す。
「もう済んでいると思って来てみれば、状況は劣勢。さらに、強力な加勢…。これ以上戦っても無意味ですねぇ。」
姿を表したのはハウザーだった。ハウザーが嬉しそうな表情をして続ける。
ハウザーー「…みなさん、本当にお強いですねぇ。今まで骨のない者たちばかりで退屈していたところなんです。あなた方は間違いなく今までで一番楽しめそうな相手。もうすでにワクワクが止まりませんよぉ。」
その言葉を発している時のハウザーは狂気に満ちていた。ものすごいプレッシャーにビルやライデン、レーラは気圧されそうになっていた。ハウザーがさらに続ける。
ハウザーー「…しかし、今回は一旦引くとしましょうかねぇ。お楽しみはまた今度と言うことで…。…それではみなさん、また会いましょう。」
そう言いながらハウザーや黒装束たちは空気のように消えていく。ビルやライデンが倒したはずの黒装束たちも同様に消えていく。その様子を見てハウザーに斬りかかるビル。
ビルー「待てぇぇええ!!!」
しかし、ビルの刃はハウザーには届かず空を斬った。ビルが続ける。
ビルー「…なんだったんだ?」
黒装束の突然の襲撃により被害にあったデフェロン王国。しかし、ビルやライデンの働きにより被害は最小限に抑えられた。
今回の戦いでわかったことは、黒装束に能力者がいることや黒装束のトップであるハウザー自身も能力者であると言うこと。
思った以上に手強い敵に”次は油断しない”と覚悟を決めるビルとライデンであった。

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