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イルたちはハウザーからの襲撃を警戒し、陸路ではなく空路からデフェロン王国へ向かうことにした。
その時、ビルが修行し続けた浮遊術の披露し、成長した姿を見せる。
そこで、意地になったレーラとビルは競い合うようにスピードを上げ、一行はものすごい速さでデフェロン王国に着くのであった。
<デフェロン王国前>
デフェロン王国についたイルたち。デフェロン王国を見ながらロザリオが言う。
ロザリオー「それじゃあ、デフェロン王国に入ろうかねぇ〜。」
そう言うと、ロザリオはデフェロン王国の門へと歩いていった。その後をイルたちがついていく。
門の前に来た時、門番が尋ねる。
門番ー「通行証は?」
門番の問いにイルたちはまたしても通行証を持っていないことに気づく。
ビルが小声でイルに言う。
ビルー「おい、イル。俺たちまた通行証持ってねーよな?…ってことは、また一緒に入ってくれる奴を探すってことか…?」
ビルの問いにイルが静かに頷いた。その時ロザリオが門番に言った。
ロザリオー「私の名はロザリオ。この度、こちらの王国で開かれる祭典”メローン”にて演奏担当として呼ばれている。ここを通してもらえるかな?」
ロザリオの発言を聞き、門番は奥から名簿のようなものを取り出し、何かを確認している。しばらくその名簿を確認した後、ロザリオをみて門番が言う。
門番ー「ロザリオ殿…たしかに祭典”メローン”の演奏担当としてリストに記されていました。気づかず失礼いたしました。」
イルたちはその様子に驚く。そして、ロザリオはイルたちの方を見て小さくグッドポーズをした。
門番はイルたちを見ながらロザリオに問う。
門番ー「ちなみに、こちらのご一行はロザリオ殿とどのようなご関係で?」
門番の問いにロザリオが答える。
ロザリオー「こちらの方々は私の護衛ですよ。険しい森を通ってくるので、安全面を考慮して一緒に付いてきてもらったんです。」
ロザリオの言葉に門番は納得した様子で言う。
門番ー「そう言うことでしたか。わかりました、それではロザリオ殿、護衛の方々、どうぞお入りください。」
そう言うと門番は門を開けた。
イルたちはロザリオのおかげでデフェロン王国に入ることができたのであった。
デフェロン王国の門が閉まる。すかさずビルがロザリオに言う。
ビルー「ロザリオ!デフェロン王国に行くっていうのだけは聞いてたけど、旅人としてじゃなく、国にお呼ばれしてたんだな!すげーじゃねーか、少しは見直したぞー!」
ビルの言葉にロザリオが苦笑いをしながら言う。
ロザリオー「ビルくん、なんでそんなに偉そうなのぉ〜。僕だって傷つくんだからねぇ〜。」
そんなロザリオにイルが言う。
イルー「ロザリオ、君のおかげでデフェロン王国に無事入ることができた。本当にありがとう!」
イルの言葉にロザリオは嬉しそうな顔をした。ロザリオが言う。
ロザリオー「そしたら僕は国王に挨拶しなくちゃいけないから一旦ここでお別れだねぇ〜。…後一つ、王国内に入ってもハウザーたちの脅威は終わらないってことだけは頭に入れておいてねぇ〜。」
ロザリオの言葉にイルたちは頷く。その後、ビルがロザリオに言う。
ビルー「ロザリオ、お前も気をつけろよ!また後でな!」
そう言ってイルたちはロザリオと一旦別行動をすることになった。
ロザリオと別れた後、イルは言う。
イルー「…俺も少し調べたいことあって、ここからは少しの間別行動をしてもいいかい?…そうだな、レーラも一緒に来てくれないか。」
イルの言葉にビルが言う。
ビルー「なんだよ急に、みずくさいぞー!俺たちも一緒に行くぜ!?」
ビルはそう言うが、ライデンとレーラがビルに言う。
ライデンー「イルは自分から別行動を申し出たんだ、俺たちがいない方が今は都合がいいんだろう。」
レーラー「そうよ!察しなさいよ、バカビル!」
ライデンとレーラの言葉を聞いてビルが言う。
ビルー「…わーったよ!イル、何があるかわからねーから気をつけろよ!」
ビルの言葉にイルが言う。
イルー「あぁビル、そっちもな!また後で落ち合おう。」
ロザリオに引き続き、イル・レーラとビル・ライデンが別行動をすることとなった。
<ビル・ライデン>
別行動になったはいいものの、ビルが不満そうに言う。
ビルー「なぁ、ライデン。ああは言ったけど、やっぱりイルの奴、みずくさいぜ!こんだけ一緒にいてまだ俺たちを信じてないってことなのか?」
ビルの不満そうな言葉にライデンが答える。
ライデンー「むしろ逆だと思うぜ。俺たちはイルにとってはもうすでに大切な存在。別行動にしたのも、俺たちのことを思ってのことだと思うぜ。」
ライデンの言葉にビルが言う。
ビルー「…俺たちのことを思って…か。用事ってなんなんだろうなー?」
ビルの質問にライデンが答える。
ライデンー「おそらくは神関連の問題だろうな。イルは考えなしに動くことはしない。俺たちは別行動で、レーラだけは連れて行ったってことも考えるとそう仮定すればある程度話が通る。」
ライデンの話を聞いてもまだ顔を曇らせる。ビルが言う。
ビルー「…それでも、やっぱりみずくさいぜ…。」
イルに対しての不満をぶつけながらビルとライデンはデフェロン王国の街を歩いていくのであった。
<イル・レーラ>
ビルとライデンが見えなくなった後、イルがレーラに言う。
イルー「レーラ、…何か感じないか?」
イルの言葉にレーラは頷いた後に言う。
レーラー「…えぇ、ずっと感じていたわよ。この感じ…”神”が近くにいる…!」
レーラの言葉にイルも頷く、そしてイルが言う。
イルー「…出てきなよ…ティア。」
イルの呼びかけに姿を表したのはイルと同じミリコスの一人”ティア”だった。
ティアー「イル、久しぶりね!久しぶりと言っても、会ったのは一瞬だったのだけれどね。」
ティアの言葉にイルが苦笑いする。ティアが続ける。
ティアー「ところでイル。そちらの小さいお友達はどなたなのかしら?」
ティアの発言にレーラが怒り、神獣の姿になってティアに言う。
レーラー「小さいってなによ。あんたよりもはるかに上だしー!人間の姿では小さいかもしれないけど、神獣になったらあんたなんかよりも全然大きんだからね!!」
レーラの神獣の姿を見てティアが言う。
ティアー「あら、とっても大きい。神獣さんだったのね!面白いお友達を連れているのね、イル。」
ティアの言葉がいちいちかんに障るレーラ。そんなレーラをよそにイルがティアに質問をする。
イルー「ところで、ティアはどうしてこの国にいるんだい?」
イルの問いかけにティアが答える。
ティアー「あなたもミリコスなら父”テオス”の命は覚えているわよね?私は、このデフェロン王国の秩序を正すためにここにいるのよ。今はまだ、情報収拾をしているところなんだけれどね。」
ティアの言葉にイルが反応する。
イルー「俺もこの国には、深刻な2極化問題を解決するために寄ったんだ。少し街を歩いただけでも、その深刻さはなんとなく感じたよ。」
イルの言葉を聞いた上で、ティアは真剣な顔で言う。
ティアー「…イル、この国の問題はそれだけじゃないのよ。もちろん、2極化も深刻な問題なのだけれど、この国にはもう一つ大きな闇があると言われているの。それが、”近代兵器の密売”。2日後に行われる”メローン”の裏側で近代兵器を売買するんじゃないかって噂が流れているのよ。」
ティアの言葉にイルとレーラは驚く。ティアは続ける。
ティアー「この国の近代兵器は簡単に国を滅ぼせるほどの力を持った兵器ばかり。そんな兵器を国外に流してしまったらこの世界が大変なことになる…。だから、絶対に止めなくてはいけないの。だけど、肝心の密売場所がまだ特定できていないんだけれどね…。」
ティアの話を聞き、少々の沈黙が流れる。その後、イルが変身術を使いながら提案する。
イルー「…密売場所や取引相手の情報収拾なら俺に任せてくれないか。この変身術を使えば、バレずに情報を集めることができると思うんだ。」
イルの変身を見て驚きながらティアが言う。
ティアー「あなた、そんな器用なことができたのね。すごいわぁ。…わかった、情報収拾はイルに任せるわ。そうした方が効率が良さそうだしね。」
ティアが続ける。
ティアー「…なら、私は2極化を解決するために動いてみるとするかしら。」
ティアの言葉にイルが言う。
イルー「わかった。…実は俺の仲間はここにいるレーラの他にもいるんだ。一度合流して事情を説明しよう。頼りになる仲間たちだからティアの力にもなれると思うよ!」
イルの言葉にティアが嬉しそうに答える。
ティアー「レーラちゃんの他にもお友達がいるのね!イル、あなたも意外とやるのね。そうさせてもらおうかしら。」
ティアの了承を得た。イルが言う。
イルー「そしたら、一旦ビルとライデンに合流しよう。」
イルの言葉にティアは頷いた。そして、レーラが答える。
レーラー「うん!」
イルとレーラはミリコスの一人”ティア”を引き連れ、ビル・ライデンと合流するために街を歩いていくのであった。

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