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200年に渡りシーフォス村を守ってきたレーラ(レテラス)は、イルの呼びかけにより主人”ルアン”を探すためシーフォス村を出てイルたちと行動を共にすることが決まった。
その日は日が落ち始めていたこともあり、明日出発することにしてシーフォス村の宿に泊まった。
イルが言う。
イルー「明日の朝にシーフォス村を出てデフェロン王国へと出発する。みんな、今日はしっかりと休んでおいてね。」
イルの言葉に3人は返事をする。その後、レーラが言う。
レーラー「デフェロン王国なら私の力を使えば1日でつくけど、ひとっ飛びー!!って感じでいいの?」
レーラの言葉にイルが否定する。
イルー「確かにレーラの力を使えばすぐにつくと思うんだけど、ビルとライデンにはもっともっと能力をうまく使いこなせるようになってほしい。だから、森を抜けるまでは極力歩いて移動しようと思う!」
イルの言葉に残念そうな顔をしてレーラが言う。
レーラー「早速出番かと思ったけど、しょうがないね…。ビルとライデン、死ぬ気で強くなるのよ!」
レーラの言葉にビルとライデンが苦笑いをして返事をする。レーラが続ける。
レーラー「そういえば、今日は色々ありすぎて聞けてなかったんだけど、イルってどんな能力を持っているの?ビルとライデンの能力も教えて!!」
レーラの問いに各々が答える。
イルー「まだ言ってなかったね、俺はあらゆるものを譲り受け取る力がメイン。そして、その能力を使って今は”相手を操る力”と”変身する力”を持っているよ。」
ビルー「俺はイルの力で空を飛ぶ力をもらった。あとは、神の力って言うのか?肉体強化できる力も持ってる。」
ライデンー「俺もビルと同じく肉体強化できる力を持ってる。」
全員の能力を把握した上でレーラはイルに向けて声を荒げて言う。
レーラー「イル、あなたの能力最強すぎじゃない!?なによ、そのずるい能力は!!」
レーラの言葉にイルが答える。
イルー「この能力ってやっぱり強い?能力を得ていく度にひょっとして強いんじゃないかなって思ってたんだけど…。」
イルの言葉にこいつはなにを言っているのかと言う目をしてレーラが言う。
レーラー「強すぎるわよ!!その能力を悪魔とかが持ってなくて心底よかったって思うわ…。」
レーラの言葉に強く同意するビルとライデン。宝の持ち腐れ感が半端ない感じだ。
レーラの言葉に同意したあとすかさずビルが言う。
ビルー「俺たち人間からすればレーラの能力も強すぎるんだけどな。」
ビルの言葉に再びライデンが強く同意する。レーラが話を戻して言う。
レーラー「少し話を戻すけど、あなたたち能力の名前とかは決めないの?今のままじゃダサいわよ。」
レーラの言葉に3人はまさかと言うような驚いた顔をする。そして、ビルが言う。
ビルー「確かにレーラの言う通りだ。能力に名前があったほうがかっこいいしな!みんな、考えてみようぜ!!」
能力の名前を考える、が一向に思いつかない。
この日は能力の名前を考えながら各々が就寝した。
夜が明け、朝を迎えた。4人はすでに宿を出発しシーフォス村を出ようとしていた。
シーフォス村を出る時、村の方を振り返りレーラは心の中で思う。
レーラー「(大切なこの村にご加護がありますように…。)」
立ち止まっているレーラをビルが呼びかける。
ビルー「どうしたー、レーラ!早く来いよー!!」
ビルの呼びかけにレーラは答える。
レーラー「待ちなさいよ!なんでおいていくのよ!!」
4人はデフェロン王国に向け、旅立った。
デフェロン王国まではシーフォス村から歩いて約1週間。その間もビルとライデンの特訓は続いていく。
カリヴァイノシシやドロフォニアベア、ベルラクーンをはじめ、一定時間姿を隠せるバニッシュタイガー(トラ)や目を見ると体が動かなくなる力を持ったアイリープス(うさぎ)など能力を持った様々な動物と戦い戦闘経験や能力の使い方を覚えていった。
ここである疑問が浮かび上がる。イルがレーラに聞く。
イルー「レーラ、ずっと疑問だったんだけど、なぜこの森ではこんなにも強い能力持ちの動物たちがいるんだ?」
イルの言葉にレーラが答える。
レーラー「私がこの森にくるずっと前からここの動物たちはみんな能力を持っていたわ。私たちも不思議に思ったからルアン様とも話したの。でも、結論が出なくって…。」
レーラが続ける。
レーラー「だけど、考えられる可能性は2つ。一つ目は神や悪魔がこの地に干渉し、その影響でここに住む動物たちにだけ能力が覚醒したという可能性。二つ目は自身で能力を開花させたという可能性。」
レーラが続ける。
レーラー「色々調べたけど、この地に神や悪魔たちが干渉した記録は残っていないから自分たちで覚醒したって可能性はあるわ。動物たちの場合、1種が能力を覚醒したら、それは他の動物にとっては死活問題になってしまうから覚醒せざるを得なくてどの動物も覚醒した。結構無理やりだけど、そうやって考えるとある程度の辻褄が合う。」
レーラの言葉にイルが納得したような顔をして頷く。
デフェロン王国へ向け出発してから3日目の朝。デフェロン王国へ向けていつものように歩いていた。
すると楽器を弾くような音色が聞こえる。
「♪〜♪♪♪〜♪〜♪♪〜」
気になりながらも歩いていると、音はだんだんと近づいていくる。どうやら進んでいる方向に音の正体があるようだ。
警戒しながら近づいてみる。音の正体は、ひ弱そうなおじさんだった。ひ弱そうなおじさんが音楽を止め、話し出す。
ひ弱そうなおじさんー「これはこれはお聞きいただきありがとう、僕の名前はロザリオ。以後お見知り置きを〜!」
いきなり挨拶をしだすロザリオ。ロザリオがイルたちに尋ねる。
ロザリオー「みなさんは旅の人かなぁ〜?」
ロザリオの問いにビルが答える。
ビルー「おうよ!俺たちはいろんな国を旅して回ってる旅人だぜ!」
そういうとロザリオは納得したように頷き、さらに尋ねる。
ロザリオー「旅人さんかぁ〜!じゃあ、もしかしてこの先のデフェロン王国に向かってる感じなのかなぁ〜?」
ロザリオの問いにレーラが答える。
レーラー「そうよ、私たちはこの先にあるデフェロン王国に向かっているわ。あなたはなんでこんな森の奥地にいるの?」
ロザリオの問いに答えた後、ロザリオに対してレーラが質問をする。その質問にロザリオが答える。
ロザリオー「実は…。」
ロザリオがためる。全員が耳をすます。
ロザリオー「迷子になっちゃったんだよねぇ〜!」
ロザリオの言葉に全員あきれ顔に。レーラはロザリオをボコボコにしながら言う。
レーラー「迷子になっただけなら普通に言いなさいよ!!」
ボコボコにされたあと、ロザリオが言う。
ロザリオー「…僕が向かいたいのもみなさんと一緒のデフェロン王国なんだよね〜。だから、よければデフェロン王国まで同行したいな〜なんて。」
ロザリオは続ける。
ロザリオー「も、もちろん。その分のお礼はいつか必ずするよぉ〜。同行中も音楽奏でてみなさんを和ませることだってできる〜、だから一緒につれていっておくれぇ〜。」
ロザリオの必死のお願いを見たビルがイルに言う。
ビルー「なぁ、イル。こいつ悪い奴じゃなさそうだし連れてってやってもいいんじゃないか?」
ビルの言葉にイルが言う。
イルー「そうだな…。ライデン、レーラそれでもいい?」
イルの言葉にライデンとレーラは同意の返事をした。そして、イルはロザリオに対して言う。
イルー「みんなも同意してくれたからついてきてもいいよ。」
イルの同意を経て、自称音楽家ロザリオはデフェロン王国まで行動を共にすることとなった。

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