イルのみちびき

イルのみちびき16話〜リニツィオルーチェ王国出発!〜

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4人が出発の準備を終え、リニツィオルーチェ王国の門まで歩いている。ビルが言う。

ビルー「この国にはほんと少ししかいなかったけど、すごい時間を過ごしたせいか離れるのは寂しいな…。」

ビルの言葉に同意するような顔をイルとユウがする。

その時、後ろから4人を呼ぶ子供の声がした。

子供ー「お〜い!待ってよ〜!」

4人は振り返る。

そこにいたのはかつての路地裏の住人たちだった。路地人たちが言う。

路地人1(かつて)ー「みなさん、今回は本当にありがとうございました!みなさんのおかげで、無事に家族が帰ってきました。」

路地人2(かつて)ー「それに、住む場所まで…。本当にどう感謝して良いのか…。」

その言葉にイルたちは微笑んだ。そして、ライデンに対して子供が言う。

子供ー「ライデンのおじちゃん、王様から全部聞いたよ。行っちゃうんだね…。本当に寂しいな…。」

子供の言葉にライデンは悲しそうな表情をする。すると、子供の親らしき人物がライデンに言う。

子供の親ー「この子は昨日の騒動以来「僕も大きくなったらライデンのおじちゃんみたいにこの国のみんなを守れるような立派な軍人さんになる!」ってずっと言っているんですよ。どうか、これからもこの子の憧れであってあげてください。」

親の言葉にライデンは言う。

ライデンー「なんと!それはすごく嬉しいことですね!」

その後、ライデンは子供に対して話しかける。

ライデンー「俺みたいになるのは少し大変かもしれないな。でも、自分を信じて一生懸命努力すれば俺をも超える立派な軍人になれる!俺が保証する。」

ライデンの言葉に子供は嬉しそうに返事をする。ライデンの話が終わったところでイルが言う。

イルー「国王はかつての優しい国王に戻りました。もう今までのようにみなさんをむやみに傷つけることはしないと思います。僕が言うのもどうかと思いますが、どうかもう一度だけ国王を信じてあげてください。それがこの国のためにもなりますから。」

イルの言葉に路地裏の住人たちは真剣な顔で頷く。そして、イルたちは去っていく。

イルたちが去っている間も住人たちはイルたちに手を振り続けた。

 

そして、とうとうリニツィオルーチェ王国の門の前に到着する。

ここからイルたちはユウと別れて行動することになる。ユウが言う。

ユウー「俺はイルに力を与えてもらい、力の使い方まで教わった。だが、それは俺がこの世界を正すための資格をもらっただけだと思っている。そして、この力をこの世界をより良い方向へと導いていくために使う。…イル、お前のようにな。」

ユウの言葉にイルは嬉しそうに頷く。そして、ユウはビルに言う。

ユウー「ビル、お前に言うことはもうない。ただ一つ、死ぬなよ。」

ユウの言葉にビルが反応する。

ビルー「お前もな!ユウ!」

そう言うとユウは後ろを向き、行こうとする。その時、遠くからまたしても声が。その声はクラムのものだった。

クラムー「みなさ〜ん、お待ちください!!」

クラムと共に国王も一緒に走ってくる。少し時間はかかったが、二人はイルたちのもとへと到着した。

そして、クラムは怒りながら言う。

クラムー「もー、こんなに早く国を出てしまうのであれば一声かけてくだされば良いのに!」

クラムと一緒に疲れながら王も言う。

王(インナウ・リニツィオルーチェ12世)ー「はぁはぁ….。そうだ….、クラムの言う通りだ….。….もう少しゆっくりしていっても良いのだぞ?」

二人の言葉にライデンが申し訳なさそうに言う。

ライデンー「国王様、クラム様突然の旅立ち申し訳ございません。」

ライデンの言葉を聞いた後、クラムが言う。

クラムー「まぁ、もう良いです。こうやって間に合いましたので。もちろん、引き止めたのはそれだけではありません。皆様はこの国の後はどちらへ向かうおつもりですか?」

クラムの質問にビルが言う。

ビルー「さっき話し合いで、ライデンが言ってた”デフェロン王国”に向かおうってなったんだ!」

ビルの後にユウが言う。

ユウー「俺は反対側にある”アリウス王国”に。」

イルたちとユウが別々の国へ行くことに対して驚いた。その後、それぞれの注意事項についてクラムが話し出した。

クラムー「なるほど、やはりユウ様とビル様は別々の道を歩むのですね…。ビル様はイル様やライデンがいるので安心ですが、ユウ様はお一人…。どうかお気をつけて。」

クラムは話を続ける。

クラムー「…と、そう言ったことではなく、お二組が行こうとしている国の現状や抱えている問題についてをお話ししたく思います。」

クラムが続けようとすると、国王が割り込んで話し出す。

王(インナウ・リニツィオルーチェ12世)ー「ここから先は私が話そう。まず、イルたちが行こうとしている”デフェロン王国”。ライデンは軍大将をしていた頃に私の護衛として同行しているからわかっていると思うが、ここは超先進国家だ。我らの国とは比べ物にならないくらいに国が発展、その技術は数千年先のものとまで言われている。しかし、その代償により貧富の差が大きく、激しい2極化社会となっている。」

王は続ける。

王(インナウ・リニツィオルーチェ12世)ー「続いて、ユウの行く”アリウス王国”。ここは、世界中で活躍するギルドが集結するギルド国家だ。数多くの国が国内では解決できない大きな問題をこの国のギルドに依頼していると聞く。我が国でも依頼したことがあるが、人間業とは思えぬ凄まじい力を持った者たちが現れ、瞬く間に問題を解決していったのを覚えている。しかし、その国へたどり着くまでに数々の困難があると聞く。我が国でもライデン以外その国に行くことすらできなかった。」

王の言葉にライデンが真剣な顔で頷き、話す。

ライデンー「国王様もおっしゃっているが、想像を絶するほど過酷だぞ。良いのか、ユウ?」

王とライデンの話を聞いてもユウは自分の言葉を曲げない。ユウが言う。

ユウー「俺は今よりももっと強くなる。どんなに辛い障害でも乗り越えてやるさ!」

ユウのまっすぐな目を見た王とライデンは信じたように頷いた。

次に、王の言葉を聞いた上で、イルがライデンから聞いた奇妙な噂について尋ねる。

イルー「ライデンから、デフェロン王国の途中にある村の近くに”魔物が住まう洞窟”があると聞いたけど、この噂は詳しく知らない?」

イルの言葉に王が答える。

王(インナウ・リニツィオルーチェ12世)ー「あぁ、知っている。その村では代々言い伝えられている伝説のような話だ。なんでも、その洞窟には体は白く、大きなたてがみを持ち、尻尾は9本ある”奇形”な生き物が住まうと。人語を理解しているようで、会話ができるという噂も聞いたことがある。私が知っているのはここまでだが、その生き物の目撃情報や襲われたという話はここ最近でもよく耳にする。くれぐれも気をつけてくれ。」

王の言葉にイルたちは頷く。王からの話が終わり、再びクラムが話し出す。

クラムー「皆様、どうかお気をつけて。またこの国にも遊びに来てください!その時は、国をあげて盛大にお祝いいたしますので!」

クラムの言葉に4人は嬉しそうに頷く。

そして、イルたちとユウは別々の方向へと歩き出すのであった。

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