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イルを中心に5人は悪魔討伐の段取りを話し合おうとしている。イルが言う。
イルー「ひとまず悪魔討伐組と人質開放組の2手に分けようと思う。」
イルの提案に全員が頷いた後、ライデンが言う。
ライデンー「俺が王の前に行ってしまえば、人質を使って揺さぶりをかけられるかもしれない。だけど悪魔討伐の戦力はなるべく多いほうがいい。そこで、人質の解放は俺一人に任せてほしいんだ。」
ライデンの提案にユウが言う。
ユウー「確かにライデンの提案は理にかなっているが、一人で大丈夫なのか?」
ユウの質問にライデンが答える。
ライデンー「あぁ、問題ない。もともと軍大将をしていた俺だ、人質を解放するのはわけないさ。問題はどこに人質が収容されているかだな…。」
ライデンの疑問にクラムが答える。
クラムー「みなさんが収容されている場所ならわかります。行き方は後で教えますね!」
人質の場所がわかることにホッとした気持ちと改めてクラムが素晴らしい王女だと言う気持ちを込めてライデンが言う。
ライデンー「クラム様、頼む!」
一通り話がまとまったところでイルが確認をする。
イルー「決まりだな。悪魔討伐組は俺、ビル、ユウ、クラムの4人。人質解放はライデンに任せる。結構は今夜だ!」
イルの確認が済んだところで王宮へ入るための細かな打ち合わせに入った。夜の警備の位置や入れ替わりのタイミング、抜け道、人質が収容されている場所などかなり念密に計画を立てる。
打ち合わせは出発するギリギリまで続いた…。
<悪魔討伐決行の夜>
クラムを除く4人は王宮付近で隠れている。
作戦はこうだ。まず、クラムが王宮前の警備を引き付ける。その間に4人は潜入。王宮に入ったところで悪魔討伐と人質解放の2手に分かれる。そこから、クラムの誘導でイルたちは王のいる場所へと向かう。
…そんな作戦を立てていたが、なかなか現れないクラムについてイルが言う。
イルー「…決行の時間になっているのにクラムが現れないな。」
イルの言葉にビルとユウが言う。
ビルー「どうする、このままだとタイミングを逃しちまうぜ?」
ユウー「しかし、クラムがいない状態での潜入は不可能だ。もう少し待ったほうがいいんじゃないか?」
ビルの言い分もユウの言い分も間違ってはいない。2人の意見を踏まえた上でイルが言う。
イルー「…罠かもしれないが仕方がない。クラムはいないが決行するぞ!」
クラムはもしもの時のために王族しか知らない抜け道をイルたちに教えていた。4人はそこを通り中へ入る。入ったところで、作戦通りライデンと分かれた。
<悪魔討伐組>
神経を尖らせながら警備をかいくぐり進んでいく。しかし、クラムが言っていたほど警備が多くなかった。ユウが疑うように言う。
ユウー「警備が少なすぎる。まるで誘導されてるみたいだ。」
ユウの言ったことは正しかった。警備をかいくぐりながら行き着いた先は王の間。目的としていた王がいるであろう場所とは程遠い場所だ。ビルが言う。
ビルー「…王の間…?」
続けてイルが言う。
イルー「罠だろうが王がいればラッキーだ。入ろう。」
誘いと知りながらも3人は中に入る。部屋の中は真っ暗だった。奥に人影が見える。そこにいたのはなんとビルとユウの仇”ファスティム”だった。
ファスティムが言う。
ファスティムー「お前たちが来ることは知っていた。まさか本当に来るとは思わなかったがな。」
ファスティムに対し、感情をむき出しにしたユウが斬りかかる。
ユウー「ファスティムゥゥゥ!!!」
静かな部屋に鉄同士の当たる音が響く。2人は激しくぶつかり合った。ファスティムが嬉しそうに言う。
ファスティムー「またお前か。感情的になって、よっぽど俺に恨みでもあるんだな。」
ファスティムの言葉にユウは憎しみをむき出しにしている。そんなユウを見たイルが言う。
イルー「ユウ!冷静になれ!無駄死にするつもりか!!」
イルの言葉を受け、冷静さを取り戻したユウが言う。
ユウー「イル、ありがとう。もう大丈夫だ。こいつは俺に任せてくれないか?」
ユウの覚悟ある言葉にイルは頷く。そして、ビルが言う。
ビルー「ユウ、負けるなよ…!」
ビルの言葉にユウが答える。
ユウー「あぁ、お前たちもな!」
<人質解放組>
一方そのの頃、ライデンは人質クラムから聞いた道を突き進んでいた。ライデンが呟く。
ライデンー「なんか拍子抜けだな。もうすぐみんなが収容されてるところに着いちまうぞ。」
その時、前から一人の男の声が聞こえる。ライデンには聞きなれた声だ。ライデンが言う。
ライデンー「お前は…グラス…!」
グラスはライデンの後にこの国の軍大将となった男。少し癖のある男だが、実力はライデンも認めるほどのもので、数々の戦場で名を上げている名将だ。
グラスー「王の命令できたものの、まさか本当にくるとは思っても見なかった。それにライデン、お前がきてくれるとは。これは楽しめそうだ」
グラムの言葉に冷や汗をかきながらライデンが言う。
ライデンー「…喜んでくれてありがとな。(グラス、こいつは厄介だぞ…。)」
なぜか悪魔討伐の作戦が漏れ、何一つとして思い通りに行かない。
クラムの行方もわからず、イルとビルは王を探し王宮を走る。そして、ユウとライデンの前には強敵たちが立ちはだかり、今にも戦いが始まろうとしている。

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